1月4日、年頭訓示が執り行われました。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から動画配信により行いました。
以下、理事長による訓示の内容です。
皆さん、新年あけましておめでとうございます。相変わらずコロナで大変な状況がありますが、本年も心を強く持って頑張っていただくようお願いします。
ここ2年程、一堂に会して皆さんの元気な顔を見ながら話をすることができていないのが非常に心苦しい限りです。やむを得ず動画という形を取っていますが、ぜひ身を入れて聴いていただき、私の話の意図することを理解し感じ取ってもらいたいと思います。
ご存知のとおり、今年は寅年です。動物の虎にまつわることわざには「虎狼より人の口恐ろし」というものがあります。虎や狼よりもうわさや悪口を言う人の口の方が恐いという意味です。特に、我々の仕事では根拠のないうわさや悪口がいけないということを理解しておくことが強く求められます。
ここからは、施設利用者の虐待について話していきたいと思います。障害者というのは自ら訴えられず、反論や反発の術を持ちません。このように弱い立場にある障害者に対しての人権侵害は支援者としても人としても許されないことです。「個人の自由」の意味するところを改めて考えてみることが大切です。
施設における虐待の特徴としては、加害者である職員を他の職員がかばったり、施設の閉鎖性等が挙げられます。私たち職員は利用者の一番身近にいるため、「虐待を犯しやすい立場にいる。虐待を起こしやすい環境が身近にある。虐待を発見しやすい場所にいる」ということを忘れずに、お互いに状況を確認しながら小さいうちに芽を摘むという考え方で仕事に取り組んでもらいたいと思います。
最後になりますが、過去の虐待事件を見ても、虐待で行動障害が緩和されたケースは皆無です。本人が穏やかに過ごすためには、支援の方法を工夫することで可能です。各々が虐待によって行動障害は緩和できないということを肝に銘じていただくようお願いします。